大規模な建設プロジェクトで使用される「山積み工程表」。
余剰人員や資材を抱えている場合は、山積み工程表を作成することで人員・資材の分配が可能です。
この記事では、山積み工程表の概要から導入するメリット、管理方法を解説しています。
記事の後半では、エクセルでの作成方法と無料テンプレートを紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
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山積み工程表とは人員・資材にフォーカスした工程表
山積み工程表とは、月・週・日などの時間経過を横軸に、人員や資材などの数量を積み上げた棒グラフの工程表です。
人員・資材を「負荷」と捉えた工程表で、「リソースヒストグラム」や「要員負荷ヒストグラム」とも呼ばれます。
上記が山積み工程表の例で、40を軸に赤色部分が負荷の超過分であり、その他はリソースの空き状況が把握できます。
建設業の工程表を作成する際、「作業にどの程度の人員が必要なのか」「どの程度の資材を用意しておくべきか」などを、事前に決めておくことが必要です。
山積み工程表を用いれば、人員・資材が足りない時期や余っている時期が一目で把握できるため、作業量・資材の分散が可能です。
山積み工程表を使用するメリット
山積み工程表を使用するメリットは、次の通りです。
- 作業の偏り防止
- 工程の可視化
- 作業の平均化
上記の順に紹介していきます。
作業の偏り防止
山積み工程表を使用することで、作業の偏りを防止できます。
工程表を見ると、作業期間ごとにリソースの偏りが明確にわかります。
工事を効率的に進めるには、作業の平均化が大切です。
作業を平均にすることで、人員・資材の配置が適切になり、円滑な工程管理が行えるでしょう。
工程の可視化
山積み工程表では縦軸に負荷、横軸に時間軸を表すため、工程計画の全体図の把握が容易です。
こまかな工程は山積み工程表では把握できませんが、リソースと進捗状況の把握ができる点がメリットです。
細かな進捗状況を把握するために、ガントチャート工程表やバーチャート工程表を活用することが大切です。
負荷配分が容易
負荷配分には、「山積み」と「山崩し」の2パターンがあり、山崩しが行いやすいことが山積み工程表のメリットです。
山崩しとは、仕事量と生産能力を比較して適切に分配することを言います。
施工期間中に負荷配分が簡単に実施できることが山積み工程表の強みと言えるでしょう。
山積み工程表の管理方法
山積み工程表には、負荷配分の手法として「フォワード方式」と「バックワード方式」の2種類があります。
安定したリソースで円滑な施工を管理するためには、負荷配分は必須な要素です。
フォワード方式とバックワード方式について、次から解説します。
フォワード方式
フォワード方式は、山積み工程表を作成する時点を基準とし、作業開始から時系列順に負荷を積み上げていく方法です。
作業開始時期から完了までを順番に記載していく形式となるので、納期を予想する際に使用されます。
最終納期の計算や受注前の大まかな納期予想をする際に使用すると効果的です。
バックワード方式
バックワード方式は、納期を起点にして作業完了日から開始日に向けてリソースを積み上げる方式です。
決められた納期から逆算するため、無駄のないリソース配分が可能です。
ただし、納期変更や急な受注には対応できないことがデメリットです。
山積み工程表のエクセルでの作り方・無料テンプレート
山積み工程表を作成する際は、次の方法を選択することが一般的です。
- エクセルで作成する
- テンプレートの使用
上記の順に解説していきます。
エクセルで作成する
エクセルでの山積み工程表の作成方法は、次の通りです。
- エクセルの新規ページを開く
- 工数・能力の項目を入力する
- 作成した項目の上の行に期間を入力する
- 期間ごとのデータを入力する
- 打ち込んだデータを選択して「挿入」→「グラフ」を選択
- ヒストグラムを選択する
- 生産能力数に当たる部分に横線を引く
- 負荷配分を検討する
上記の手順で山積み工程表を自作できます。
無料テンプレートの使用
エクセルの操作に慣れていない場合は、テンプレートの使用が効率的です。
テンプレートを使用することで、入力する範囲が少なく短時間での作成が可能です。
まとめ
この記事では、山積み工程表の概要からメリット、作り方を紹介しました。
山積み工程表は、人員・資材を管理するのに最適な工程表です。
山積み工程表だけでは把握しづらい細かな部分は、ガントチャート工程表やバーチャート工程表を併用することで、最適な工程管理ができるでしょう。
難しい山積み工程表を簡単に作成するなら、今回紹介した無料テンプレートの利用がおすすめです。