土木工事現場において施工管理を行うとき、ITツールを用いて業務の省力化・省人化できるアプリケーション・サービス「デキスパート」を紹介します。
昨今では大手ゼネコンをはじめ、国土交通省でもIT化やDX化を推進しています。
本記事を通して「デキスパート」の機能や料金面、導入事例から是非導入を検討してみてください。
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デキスパートとは
デキスパートとは、土木現場の施工管理支援ツールであり、約30種類のソフトから構成されるトータルソリューションシステムです。
それぞれのソフトが「デキスパート基本部」上で起動し、工事名や担当者名など基礎情報を共有できるなどの連動性に優れています。
導入企業は、技術提案から電子納品までの業務をトータルで管理することにより、各工程の作業効率を改善、正確な工程管理で効率化を図ることが可能になります。
運営元『株式会社建設管理システム(KENTEN)』について
デキスパートを提供している『株式会社建設管理システム(KENTEN)』の企業情報は下記の通りです。
会社名 | 株式会社建設管理システム(KENTEN) |
設立 | 1992年7月2日 |
所在地 | 〒417-0862 静岡県富士市石坂312-1 |
代表電話番号 | 0570-200-787 |
代表者 | 代表取締役社長 重森 渉 |
資本金 | 4,000万円 |
事業内容 | 建設業向け施工管理ソフトウェアの開発・販売 |
関連会社 | 株式会社アンフープ(オンライン英会話サービス事業:hanaso)PT. KENTEM INTERNATIONAL INDONESIA(建設業向け ICTツール販売事業)株式会社ウィズテック(SES、プログラミング教育事業)株式会社KENTEM LABO(3Dモデル・点群アプリの開発事業) |
従業員数 | 456名 / 男:300名 女:156名 (パート社員13名を含む) ※2023年9月時点 |
HP | https://www.kentem.jp/product-service/dekispart/ |
デキスパートの機能・できること
デキスパートは、30種類以上の豊富なラインナップから、業務に必要なソフトを選択して導入できるため、①入札・落札後準備、②測量・図面・設計・管理、③施工管理、④検査・納品、などの各フェーズで特徴的な機能、できることがあります。
各ソフトはデータ共有可能なため最大限に効果を発揮できます。
ここではそれぞれのフェーズ毎に機能を紹介します。
入札・落札後準備
入札・落札後は、施工計画書の作成や工程管理の作成、安全管理を行います。
それぞれにおいて詳細に機能を解説します。
施工計画書作成支援システム
従来から使い慣れているExcel本来の機能に施工計画書作成のための機能が加わることで、施工計画書専用のソフトとして活用できます。
更に、一般的な積算ソフトから情報を取り込み、施工計画書内で工事内訳書として主要機械・指定機械、主要資材等の帳票を自動で作成可能です。
工程管理システム(バーチャート+ネットワーク図)
現場工程表でよくあるクリティカルパスを見えやすくするためにネットワーク図を自動で作成します。
いつ、どの作業がクリティカルか、またその影響はどのくらいかが一目でわかるため注視すべきポイントを見落としません。
安全管理サイガード
施工体制台帳、作業手順書、KY活動記録簿などの各種現場で必要な書類のテンプレートを保有しておりExcel ファイルで出力することも可能なため汎用性が高い。
測量・図面・設計・管理
測量や設計業務では、製図、測量、出来形展開図の作成、図面変換などを行います。
それぞれにおいて詳細に機能を解説します。
A納図 [A-NOTE]、現場大将
土木に特化した土木のための専門CADであるA-NOTEを用いて図面を作成します。
現場大将という測量ソフトを用いて、測量機(平面・縦断・横断)との連動を徹底し、3次元計算の作業効率向上をサポートします。
加えて、測量機で観測した座標データからの自動作図機能を搭載するなど、測量に関するデータを現場・図面へ幅広く活用できます。
情報化施工(TS出来形)サポートツール
本ツールでは、出来形管理台帳の作成の他、TS出来形対応、電子納品にも対応できます。
情報化施工(TS出来形)サポートツール
出来形展開図作成では、設計値や実測値から出来形展開図を自動で作成することが可能です。
それぞれの現場に合わせた入力方法で作図できるので、作図や計算にかかる作業時間の短縮にも貢献します。
施工管理
施工管理では、写真管理・出来形管理、品質管理など重要な項目をカバーします。
それぞれにおいて詳細に機能を解説します。
写真、出来形管理システム
写真や品質管理システムと連動させることで、アルバム作成から電子納品まで、写真管理に必要な作業をサポートします。
加えて、出来形管理台帳の様々なフォーマットから現場に最適な台帳作成をフォローします。
品質管理システム
シンプルな入力作業を行うだけで、コンクリート等の品質管理書類を作成できます。
マスコンクリートなどを打つ際は、日に何度も使う必要があるためシステム化されていると使い勝手が良いです。
総括表作成
出来形管理システム・品質管理システムの管理結果を自動集計し、管理工種・管理基準と一緒に取り込めます。
更に、3Dイラスト機能を併用して、「施工CIM」や「i-Construction」によって3次元モデル化にも対応できます。
検査・納品
検査、納品時には電子納品支援システムを活用します。
詳細に機能を解説します。
電子納品支援システム[土木版]
電子納品支援システム[土木版]は、建設土木工事の電子納品を支援するソフトであり、国土交通省などの発注者ごとに電子納品要領をカバーしているのでそのまま利用が可能です。
ケンテムPDF
アクロバットなどで有名なAdobeを使わずにPDFを編集、変換、カスタマイズできます。
しかも、稼働台数無制限です。
デキスパートの費用・料金
デキスパートの費用・料金は、利用するソフトの本数(全33本)により異なるため、下記の公式HPから問い合わせることで正確に把握できます。
上記で把握した費用に、オプションとして、搬入設置料(33,000円)や導入指導料(44,000円)などが加算されます。
デキスパートの評判・導入事例
ここでは実際に、デキスパートを導入した企業の評判を紹介します。
西日本電業株式会社
課題として、事務所に戻ってから写真を整理するため、納期に間に合わないこともある。一から覚えるのは面倒。使い慣れているExcelで作成したい。イラストを付けた施工計画書を作成したいけど、なかなか使えるものがない。などがあった。それを導入した結果、事務所に戻ってから写真を整理するため、納期に間に合わないこともある。Excelアドインなので、今まで通り作成できる。様々なパーツがあるので、組み合わせて見栄えもいい施工計画書が作成できるといった効果が見られた。
引用元:デキスパート公式HP
株式会社飯島組
農業土木においては、発注後に発注者との協議や地域住民の方との話し合いにより計画変更することが多々あるため、素早く計画を作成することが求められる。という課題があったが、GPS測量機とA納図 [A-NOTE][2.5次元]を導入・活用することで、測量も図面作成も従来の3分の1に短縮することができた、という効果が見られた。
引用元:デキスパート公式HP
株式会社共栄建設
イラストを使用するのが面倒で、文章が中心の単調な施工計画書になっていた。また、新しいソフトを導入するのに抵抗があるという課題があったが、導入の結果、搭載されているイラストを活用することで、見栄えの良い施工計画書をこれまでの半分の時間で作成できるようになった。Excelベースの操作性なので、すぐに使用できた、といった効果が見られた。
引用元:デキスパート公式HP
デキスパート導入の流れ
デキスパート導入を検討されている方は、ウェブフォームまたは担当営業へ見積もり依頼をしてください。
その後の具体的な流れについて解説します。
- 設計書等のデータを提出
- データ作成の打ち合わせ(電話・商談にて)
- データ作成
- メールまたは郵送でデータ納品
デキスパートのデータをパソコンにインストールするには2種類の方法があります。
- インストールDVDからインストールする方法
- ホームページから最新版をダウンロードしてインストールする方法
搬入設置や導入指導も実施しており、専門スタッフがしっかりサポートしてくれるため、初めて利用する方でも安心です。
デキスパートの総合評価
上述から「デキスパート」を利用することの総合評価をメリットとデメリットの観点で以下に纏めました。
メリット
デキスパートは、各工程においてそれぞれ特化したソフトが用意されているため汎用性に優れています。
業務計画書作成から、写真台帳・出来形帳票などの電子納品までの工事着手から竣工までの一連の作業を専門のソフトがサポートします。
従って、それぞれの工程で作業の機械化・自動化が発揮されます。
更に、インストールの制限がなく同時に複数のパソコンの台数で作業が可能なため、同一ネットワーク上であれば、大きな現場においても稼働台数が無制限で利用できるのもメリットです。
デメリット
いずれのソフトにも言えることですが、新しいソフトを導入するときにかかるコストがデメリットです。
特にデキスパートではそれぞれ独立したソフトがあるため、すべて導入すると非常に大きなコストになります。
加えて、全ての機能を使いこなせない可能性も高いため、導入には慎重になる必要があります。
連動性に強みがある点からも小規模な現場よりは大規模な現場での導入に向いているでしょう。
まとめ
デキスパートに関して、どのようなアプリケーションツールか理解できたでしょうか?
昨今は国を挙げてDXを推進しています。
そのような中でIT化を進めていない企業が本ツールを活用して現場作業の省人化・省力化を推進していけることを願っています。