アンドロイドで使える工事黒板アプリはどれがいい?
工事黒板アプリの機能や料金が知りたい
国土交通省による建設現場への「ICTの全面的な活用」の推進により、建設業界では「工事黒板アプリ」が注目を集めています。
ただ実際に自社で導入を検討する際は、上記のような疑問をもつ企業の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、工事黒板アプリ導入のメリット、工事黒板アプリの選び方などを解説しています。
また、アンドロイド対応の工事黒板アプリを8つ厳選し、機能や料金設定を比較していますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
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工事黒板アプリとは?
工事黒板アプリとは、工事写真を撮影するときに使う工事黒板をデジタル化したアプリです。
従来のアナログの工事黒板よりも格段に使い勝手が良く、撮影した写真データを他のソフトとの共有も簡単にできるため多くの建設会社が導入しています。
工事の各段階の進捗状況を撮影・記録するときは、工事黒板に工事の詳細(工事名・撮影日・立会者・工種・施工状況など)を記載して現場状況とともに撮影します。
そのため工事写真を撮影するときは、常に黒板とチョークを持ち歩く必要がありました。
しかし工事黒板アプリを使えば、工事写真を撮影する際に、いつでもデジタルの黒板を挿入できます。
黒板とチョークを持ち歩く必要はなく、入力も編集もスマホやタブレットで完結します。
黒板を置く位置に迷ったり、現場で項目を書き直したりする手間もないです。
天候によって生じる黒板の文字の汚れやかすれの心配もありません。
工事黒板アプリは、現場での作業効率を大幅にアップするツールです。
工事黒板アプリを導入するメリット
工事黒板アプリを導入するメリットは大きく以下の3つに集約できます。
- リアルな工事黒板の準備や携行が必要ない
- アプリ一つで写真の撮影と管理ができる
- 写真データをクラウド上で保存できる
それぞれについて解説します。
リアルな工事黒板の準備や携行が必要ない
工事黒板アプリは、従来のように現場ごとに黒板や筆記用具を用意したり、常に携行したりする必要がありません。
黒板を持たなくていいので、ひとりでも楽に撮影できます。
黒板がフレームに収まるように自動調整され、文字や図形を自由に配置できるので、より見やすくわかりやすい黒板を短時間で作成することが可能です。
一つのデバイスで複数の現場の写真データを管理し、過去のデータを再利用することもできます。
使えば使うほど、活用できるデータが蓄積されるので、生産性は上がっていくことになります。
アプリ一つで写真の撮影と管理ができる
従来の写真管理では、まず現場で工事写真を撮影し、一度事務所に戻ってパソコンの写真管理ソフトやExcelを使って整理するというのが一般的でした。
工事写真台帳機能のある工事黒板アプリがあれば、写真の撮影と管理を一貫して行うことができます。
工事写真台帳とは、撮影した工事写真をまとめたアルバムのことです。
工事写真を工程ごとに整理した写真台帳は、竣工後に発注者に提示して点検を受けます。
また施工中に不測の事態があれば、施工手順の確認や証明のために必要です。
工事写真台帳の作成機能では、レイアウトを変更すれば、それが自動的に構図に反映されるので業務を大幅に効率化できます。
写真データをクラウド上で保存できる
工事黒板アプリで撮影した写真データは、クラウド上に保存できるので、誰でも簡単にリアルタイムでデータにアクセスできます。
いくつかの部署で、それぞれの必要性から工事の進捗状況を確認できるのです。
写真を撮影し、データをクラウド上にアップするまでを現場技術者が行い、実際の仕分け作業や台帳作成は事務所のスタッフが行うという業務分担も可能になります。
現場技術者の長時間労働の削減や業務の負担軽減は、建設業界の働き方改革や国土交通省が推進する「ICT技術」などに沿った施策です。
【アンドロイド対応】工事黒板アプリおすすめ8選|無料もあり
ここまで、工事黒板アプリの概要と導入により得ることができるメリットについて解説してきました。
しかしDX化が進む中で今は様々な工事黒板アプリが登場してきています。
無料のアプリも良いですが、自社の業務効率化をしていきたいなら有料の工事黒板アプリがおすすめです。
この章では2024年の最新情報に基づき、アンドロイドに対応している工事黒板アプリを8つ厳選して紹介します。
重視するポイント別でおすすめ製品を表にしたのでこちらを参考に是非自社に導入するアプリを選んでみてください。
アプリ名 | 初期費用 | 月額費用 | 無料トライアル | 対応端末 | 工事写真の撮影 | 電子黒板の作成 | 工事写真の保存・整理 | 工事写真台帳・報告書の作成 | 改竄防止機能 | 公式ページ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
KANNA | 0円 | 月額:0円~ ※プランによって変動 | ○ | iPhone、iPad、Android、Windows、Mac | ○ | ○(オプション) | ○ | ○ | ○ | 公式HP |
現場ポケット | 0円 | 年間契約:11,880円 月額契約:13,200円 | ○(最大2ヶ月間) | iPhone、iPad、Android、PC(クラウド) | ○ | ○ | ○ | ○ | × | 公式HP |
蔵衛門Pocket | 0円 | 49,280円(買い切り) | × | android | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 公式HP |
ミライ工事 | 0円〜 | 900円〜/1ID | × | iPhone、iPad、android 、PC | ○ | ○ | ○ | ○ | × | 公式HP |
PhotoManager | 0円 | 11,800円/1ライセンス ※買い切り | ○ | iPhone、iPad、android 、PC | ○ | ○ | ○ | ○ | × | 公式HP |
Photoruction | 0円〜 | 要問い合わせ | ○(フリー版で1年間) | iPhone、iPad、android 、PC | ○ | ○ | ○ | ○ | × | 公式HP |
Photo report maker | 0円 | 0円 | × | android | × | ○ | ○ | ○ | × | 公式HP |
ANDPAD | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | iPhone、iPad、android 、PC | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 公式HP |
KANNA(カンナ)|無料で始められる施工管理アプリ
KANNAのおすすめポイント
- 初期費用0円、月額費用0円〜利用できる(プランにより変動あり)
- Apple StoreでNo,1の評価
- オールインワンの施工管理アプリ
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 月額:0円~ ※プランによって変動 |
無料トライアル | ○ |
対応端末 | iPhone、iPad、Android、Windows、Mac |
工事写真の撮影 | ○ |
電子黒板の作成 | ○(オプション) |
工事写真の保存・整理 | ○ |
工事写真台帳・報告書の作成 | ○ |
改竄防止機能 | ○ |
総評コメント
株式会社アルダグラムが提供する、初期費用無料・月額費用0円〜利用できる施工管理アプリが「KANNA」です。
KANNA最大の特徴は、工程表・案件作成・チャット・報告書作成など、施工管理に必要な機能を備えているところです。
工事黒板の機能に関しても基本的な機能はもちろん、改竄防止機能まで備わっています。
手持ちのスマホ・タブレットから写真を撮影することができ、工事写真の添付・情報の書き換えまでが簡単に出来ます。
ただ、KANNAの工事黒板機能はあくまでオプション機能なので別途料金が必要です。
その為、工事黒板機能だけ利用したい人には向いていませんが、工程管理や写真管理、チャット、報告書作成など業務の全体を効率化したい企業には特におすすめです。
初期費用は無料、月額はプランによって変動しますが0円〜利用可能な機能も多数。無料トライアルで使用感を確かめることも可能ですので、ぜひ下記から詳細をチェックしてみてください。
現場ポケット|使いやすさに拘ったシンプル設計
現場ポケットのおすすめポイント
- 便利な機能を標準装備
- 導入費用が安い
- 円滑なコミュニケーションをサポート
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 年間契約:11,880円 月額契約:13,200円 |
無料トライアル | ○(最大2ヶ月間) |
対応端末 | iPhone、iPad、Android、PC(クラウド) |
工事写真の撮影 | ○ |
電子黒板の作成 | ○ |
工事写真の保存・整理 | ○ |
工事写真台帳・報告書の作成 | ○ |
改竄防止機能 | × |
総評コメント
2021年にリリースされて以来、35,000人以上の現場関係者に利用されているアプリです。
日本マーケティングリサーチ機構の2021年7月の調査で、施工管理アプリで3冠獲得を達成しています。
データ情報をリアルに共有できるので、現場関係者全員に一度に連絡が可能になり、指示や確認のための電話も必要ありません。
写真が整理されて探しやすく、常用な情報が埋もれません。
日報や報告書の作成も容易であり、月額利用料11,880円は非常にコスパが良いと高く評価されています。
蔵衛門Pocket|工事写真機能に特化
蔵衛門Pocketのおすすめポイント
- 電話、天気、地図などのアプリも使用可
- ポケットサイズの小型機
- ケースとストラップが附属
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 49,280円(買い切り) |
無料トライアル | × |
対応端末 | Android |
工事写真の撮影 | ○ |
電子黒板の作成 | ○ |
工事写真の保存・整理 | ○ |
工事写真台帳・報告書の作成 | ○ |
改竄防止機能 | ○ |
総評コメント
片手で撮影できる軽量スマホ「蔵衛門pocket」は、6.5インチ画面で49,280円(税込)です。
現場が見えるアプリ「蔵衛門クラウド」が標準装備されています。
難しい初期設定は必要なく、ケースとストラップが付属しており、ポケットに入れて現場にもっていき直ぐに使用できます。
黒板・写真・図面を端末やパソコン間で共有出来て、国土交通省や農林水産省、NEXCOなどの電子納品のデータ出力も可能です。
クラウドを経由して、台帳ソフト「蔵衛門御用達DX」に自動仕分けされます。
ミライ工事|電子小黒板付きモバイルアプリ
ミライ工事のおすすめポイント
- スマホで完結、操作が簡単でスピーディー
- オフラインモード
- カスタム台帳機能
初期費用 | 0円〜 |
月額費用 | 900円〜/1ID |
無料トライアル | × |
対応端末 | iPhone、iPad、Android、PC(クラウド) |
工事写真の撮影 | ○ |
電子黒板の作成 | ○ |
工事写真の保存・整理 | ○ |
工事写真台帳・報告書の作成 | ○ |
改竄防止機能 | × |
総評コメント
料金プランは5種類ありますが、どれも初期費用は0円となっています。
フリーは月額(年額)費用も無料ですが、写真撮影から台帳作成まで基本的な作業はすべてできます。
使用する人数やクラウド容量、使用端末が増えていくと、月額費用が増額になっていくシステムです。
複数現場の同時管理でもトーク機能や招待機能により報告・相談がスムーズです。
さらに管理サポートやバックアップ体制、セキュリティ機能も充実していて安心感があります。
クレジット決済の個人プラン、複数人運用の法人契約プランがあります。
PhotoManager|工事写真のレイヤ化にも対応
PhotoManagerのおすすめポイント
- 電子小黒板編集の操作性向上
- 誤操作防止機能の強化
- 最新の容量、基準に対応
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 11,800円/1ライセンス※買い切り |
無料トライアル | ○ |
対応端末 | iPhone、iPad、Android、PC(クラウド) |
工事写真の撮影 | ○ |
電子黒板の作成 | ○ |
工事写真の保存・整理 | ○ |
工事写真台帳・報告書の作成 | ○ |
改竄防止機能 | × |
総評コメント
デジカメや、スマートフォンやタブレットの電子小黒板アプリで撮影された工事写真を素早く分類、整理して電子納品や写真帳印刷を行うことができます。
国土交通省等の最新の要領・基準に対応しており、適用する要領・基準の変更は、編集中にいつでも可能です。
操作性や機能のアップデートが定期的に行われており、電子小黒板の編集画面の高速化や省メモリ化により処理スピードが向上しました。
また誤操作防止機能の強化として、工種区分フォルダの編集を制限しています。
Photoruction|導入実績が豊富
Photoructionのおすすめポイント
- 自動写真整理機能
- 位置情報による自動入力機能
- 黒板の書式も自由自在
初期費用 | 0円〜 |
月額費用 | 要問い合わせ |
無料トライアル | ○(フリー版で1年間) |
対応端末 | iPhone、iPad、Android、PC |
工事写真の撮影 | ○ |
電子黒板の作成 | ○ |
工事写真の保存・整理 | ○ |
工事写真台帳・報告書の作成 | ○ |
改竄防止機能 | × |
総評コメント
建設生産に関する業務を効率化するためのソフトウェアです。
建設プロジェクトでの導入は約30万件の実績があり、現場での1人当りの作業時間を月20時間削減し、報告作業にかける時間を99%削減したとしています。
スマートフォンやタブレットで撮影した大量の写真を自動整理し、電子黒板や台帳の作成も簡単に行うことができます。
さらにAIとクラウドによる建設BPO機能や自社向けにカスタム化することも可能で、建設DXを実現するための有効なプラットフォームです。
Photo report maker|無料の写真帳アプリ
Photo report makerのおすすめポイント
- 画像をカメラもしくはスマホ内の 画像を追加
- 画像に丸や四角の図形を付加できる
- PDF、EXCELとして保存可能
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 0円 |
無料トライアル | × |
対応端末 | Android |
工事写真の撮影 | × |
電子黒板の作成 | ○ |
工事写真の保存・整理 | ○ |
工事写真台帳・報告書の作成 | ○ |
改竄防止機能 | × |
総評コメント
Android向けの無料で使える工事写真帳作成アプリです。
PDFやEXCELファイルに出力することができます。
画像をカメラもしくはスマホ内の画像から追加できます。
写真に丸や四角等の簡単な図形やコメントを付けたり、工事写真帳を保存したりすることが可能です。
ANDPAD|撮影写真の自動整理
ANDPAD黒板のおすすめポイント
- 数千種類の黒板をCSVで一括作成
- J-COMSIAの改ざん検知機能搭載
- AIにより豆図付き黒板作成を自動化
初期費用 | 要問い合わせ |
月額費用 | 要問い合わせ |
無料トライアル | 要問い合わせ |
対応端末 | iPhone、iPad、Android、PC(クラウド) |
工事写真の撮影 | ○ |
電子黒板の作成 | ○ |
工事写真の保存・整理 | ○ |
工事写真台帳・報告書の作成 | ○ |
改竄防止機能 | ○ |
総評コメント
黒板作成から黒板付き写真撮影、写真整理から写真台帳作成まで一元管理できます。
1度作成した黒板は、テンプレート機能を使うことで他の現場での再利用が可能です。
インターネット接続のない現場でも、電子黒板付き写真の撮影や保存ができます。
J-COMSIAが提供する改ざん検知機能により信ぴょう性確認ができるため、公共工事の電子納品も対応します。
撮影した写真は黒板ごとに自動整理され、写真台帳作成も1クリックです。
黒板内容も写真台帳に一括反映されるので、大幅な時間短縮ができます。
アンドロイドにも対応している工事写真アプリの選び方
アンドロイドにも対応している工事黒板アプリの選び方のポイントは、以下の3点です。
- 予算と見合う料金設定
- 写真データの共有機能
- 操作が簡単で疲れない
上記の3つのポイントについて、それぞれ解説します。
予算と見合う料金設定
工事黒板の導入を検討するとき、予算と見合う料金設定であることが最重要です。
ただ、その前に、自社で利用したい機能は何かをまとめておくことも重要になります。
写真撮影の効率化だけでいいのか、写真台帳の作成まで必要なのか、写真データを管理部門も共有できるようにして業務全体の効率化までカバーするのかでは機能が大きく違い料金設定にも差が出ます。
評価が高く人気のある機種をいくつか候補としてリストアップし、自社に必要な機能と料金を予算と比較しながら、機種選定を進めていくことをおすすめします。
写真データの共有機能
工事黒板アプリの機能は機種によってさまざまですが、写真データの共有機能は必須といえるでしょう。
写真データをクラウド上で共有できれば、他の現場作業者が自分の担当する工程の手順の参考にできます。
また管理部門のスタッフが現場の進捗状況やトラブルが発生したときの原因の確認をしたりできます。
さらに拡張機能として、チャット機能や受発注機能、工程表機能などを装備できれば、単なる工事黒板アプリとしてだけでなく「建設DX」としての位置づけの実現も可能です。
操作性が簡単で疲れない
工事写真の撮影や整理は、現場を管理する上で日常的な業務であり、作業量としても大きなウェイトを占めるものです。
操作が簡単で疲れないことは、導入を検討する際、重要なポイントになります。
特に従来のリアルな黒板の使用に慣れている世代にとっては、工事黒板アプリの操作は身につくまで時間がかかることが予想されます。
試用期間などで使用感や操作性をチェックしておくことをおすすめします。
【アンドロイド対応】工事黒板アプリを導入しよう
ここまで、工事黒板アプリについて解説してきました。主な内容は下記の通りです。
- 工事黒板アプリの概要
- 工事黒板アプリを導入するメリット
- アンドロイド対応の工事黒板アプリおすすめ8選
- 工事黒板アプリの選び方
現在流通している工事黒板アプリは、大きく3つに分けることができます。
- 機能は限定的だが完全無料のもの
- 機能によって無料と有料のプランがあるもの
- 建設DXアプリであり工事黒板アプリはその機能の一つであるというもの
以上のことを踏まえ、自社はどこまでの機能を求めるのかをまとめる必要があります。
そのためには、現在評価が高く人気のあるアプリをリストアップし、必要性と料金設定を確認しながら最適解を求めていくことが第一歩となるでしょう。