【タブレットによる設備点検】導入事例からおすすめの設備管理アプリ3選を解説

タブレットの活用による設備点検|事例からおすすめの設備管理アプリまで解説

設備点検の煩雑な作業から解放されたい、作業時間を短縮したい、そんな方におすすめなのが、タブレットを活用した設備点検です。

設備点検は、施設の安全維持に不可欠な業務です。

しかし、従来の紙ベースでの点検は、書類の記入や持ち運びやデータ管理などに多くの時間と労力を費やし、煩雑で非効率な作業となっていました。

そこで注目されているのが、タブレットを活用した設備点検です。

タブレットを導入すれば、点検業務を効率化でき、作業時間の短縮にもつながります。

本記事では、タブレットで設備点検を行うメリット、具体的な導入事例、そしておすすめの設備管理アプリをご紹介します。

紙ベースでの点検作業に悩んでいる方やより効率的な方法を探している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

設備点検はタブレットを活用し効率化を図る時代

設備点検はタブレットを活用し効率化を図る時代

設備点検の現場では、従来の紙による点検方式からタブレットを活用したデジタル化への移行が進んでいます。

タブレットの活用は設備管理業務の効率化を実現するものとして、さまざまな業界で注目を集めています。

設備点検でのタブレット活用の大きな特徴は、リアルタイムでの情報記録と共有が可能となる点です。

従来は点検員が紙の点検票に手書きで記入し、事務所に持ち帰ってから点検結果を集計・報告書作成するという非効率な流れでした。

一方、タブレットを使えば、現場で直接デジタルデータを入力・記録できます。

さらにタブレットには、写真・動画の撮影やGPS連携による位置情報の自動記録など、さまざまな機能が備わっています。

これらの機能により点検内容の可視化や作業者の負担軽減が図れ、より正確な点検記録を残せるようになりました。

また、タブレット端末の導入が増える背景には、タブレット端末の高度化や低価格化も挙げられます。

タブレット端末の性能は飛躍的に向上しており、価格も安価なものが増え、導入のハードルは下がっています。

一方、近年深刻化している人手不足も、設備点検のIT化を促進する要因の一つです。

人手不足によって作業員が確保できない場合でも、タブレット端末の活用により、限られた人員で効率的に点検を行うことが可能となります。

従来の設備点検の課題

従来の設備点検では、以下のような課題がありました。

  • 点検票の紛失や破損のリスク
  • 記入漏れや転記ミス
  • 情報共有の遅延
  • 報告書作成の手間
  • 紙媒体によるデータ分析の困難さ

紙媒体による設備点検では非効率な業務が多く、ミスが発生しやすい環境でした。

これらの課題は、設備管理業務の効率化や安全性、信頼性の向上を阻害するだけではなく、作業員にも大きな負担となっていました。

設備管理業務の効率化や信頼性などを実現するためには、紙媒体による従来の点検方法から、タブレットを用いたIT化への移行が不可欠です。

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設備点検をタブレットで行うメリット

設備点検をタブレットで行うメリット

従来の紙ベースの点検から、タブレットを活用した点検への移行が進んでいます。

タブレット点検には、以下のようなメリットが挙げられます。

  • 点検票の転記や管理の煩雑さから解放
  • マニュアルや過去の点検履歴を手軽に検索・参照
  • 点検状況を写真や動画付きでリアルタイム共有可能

それぞれ解説します。

点検票の転記や管理の煩雑さから解放

紙ベースの点検では、点検票に手書きで記録し、システムに転記する必要がありました。

この作業は、時間と労力がかかるだけではなく、書き間違いや転記ミスなどのリスクも伴いました。

タブレットによる設備点検では、点検項目や結果を直接タブレットに入力でき、転記作業を丸ごと削減できます。

また、タブレットに入力されたデータは、自動的にシステムに同期されるため常に最新の情報を確認でき、書類の保管場所の確保や紛失のリスクも心配ありません。

具体的に削減できる作業内容は、以下のとおりです。

  • 作業報告書のシステムへの転記
  • 書類のファイリング・保管
  • 誤字脱字の修正
  • 書類のデータ化

タブレットによる設備点検は、設備管理業務の効率化を促進し、人件費削減などにもつながります。

マニュアルや過去の点検履歴を手軽に検索・参照

紙ベースのマニュアルでは、必要な情報を探すのに時間がかかり、最新の情報に更新されていない可能性もありました。

タブレットを活用すれば、マニュアルや過去の作業履歴を簡単に検索・参照できるようになり、以下の作業時間を大幅に削減できます。

  • 点検箇所や手順の確認
  • 異常時の対応方法の確認
  • マニュアルの更新

タブレット端末であれば、キーワード検索や絞り込み機能を使って、必要な情報に一瞬でアクセスできます。

さらに、写真や動画を添付しての共有も可能なため、手順や異常箇所をより分かりやすく伝えることも可能です。

これら作業の削減は、点検員の作業負担を軽減し、点検業務全体の効率化につながります。

点検状況を写真や動画付きでリアルタイム共有可能

紙ベースの点検では、点検状況を共有するまでに時間がかかり、情報伝達に遅延が生じていました。

しかし、タブレットを用いた点検であれば、点検状況を写真や動画付きでリアルタイムに共有できます。

写真や動画を添付すれば、情報がより正確につながりますし、報告書を作成する手間も省けます。

さらに、リアルタイム共有できるため、トラブル発見の際も関係者へすぐに連絡できる点も大きなメリットです。

写真や動画を用いた報告書をリアルタイム共有できるメリットには、以下のようなものも挙げられます。

  • 誤解や認識違いの防止
  • 点検記録の蓄積
  • 報告書作成の効率化

タブレットを用いた設備点検は、現場状況の共有を容易にし、点検業務の効率化につながります。

【導入事例】タブレットによる設備管理

【導入事例】タブレットによる設備管理

従来の紙の点検票からタブレットへの移行は、設備点検の現場に大きな変革をもたらします。

ここでは、タブレット活用による設備点検の具体例を紹介します。

相鉄企業株式会社:ビルメンテナンスの点検業務の効率化

これまでの点検・管理業務では、どのような課題がありましたか?

ビルメンテナンスでは、日次点検、月次点検があり、これまでは紙に点検結果を記録して保管していたため、多くの記録工数や保管スペースが必要でした。また管理業務においても、不具合が起きた際に、その保管スペースから該当する点検用紙を探し出すのが一苦労。業界的にも見える化の導入が進められる中で、誰がどんな作業をしているか、もっと効率的な情報共有の必要性を感じていました。また、以前から現場では作業者の人手不足が問題になっており、経験のある中堅以上の社員の点検スキルを若手にどう伝承するかという課題もありました。

導入してみて、品質面ではどんな効果がありましたか?

まず、点検する際にしきい値がすぐに分かるので、誰でも同じように点検でき、作業精度を均一化して、ヒューマンエラーが低減できたというのが品質面では大きいですね。また、LINE WORKSで離れたところからでも情報を共有できることで、不具合発生時の対応がより迅速になりました。さらに点検結果をグラフ表示することで、数値変動から異常予兆が分かるようになるなど計画的な保守にもつながっています。こうしたデータ分析はまだまだこれからですが、データを蓄積していくことで、より点検精度の向上につながるようになると思います。

効率面ではどのくらいの効果が出ていますか?

シンプルで汎用性が高いアプリのため、スマホで簡単に点検でき、現場からも見やすいという声が上がっています。BACnetやIoTセンサなどを使った遠隔からの自動点検も同時に導入しており、建物による変動はありますが、点検や準備、移動、報告などを含めたトータルの作業効率を20~40%削減することができました。また、ペーパーレス化で資源削減ができるうえ、場所を取っていた保管スペースも削減。管理側としても、点検結果を細かく検索できるので、不具合発生時に記録結果をひっくり返して探し回る苦労もなくなったのがうれしいですね。

その他にも導入で得られたメリットはありましたか?

点検データをExcel等に入力する必要がないのはもちろん、作業時間のログも取れるので、作業者によって何時間かかったかで習熟度の目安にもなり、前述の作業均一性とともに役立っています。また、これまで点検時にはバインダーを持ち歩いていたので、屋上などの風の強い場所の点検では手がふさがり心配な時もあったのですが、今はポケットにスマホさえいれておけば、手ぶらで安全に点検できるので、労災リスクの低減にもつながっていると思います。

引用元:https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/monitoring/FacilityLog/case01.html

有限会社エコニティ:機器保全管理のシステム構築

機械メーカーのB社では、効果的な機器保全管理の仕組みを構築するためのプロジェクトを開始しました。

実際の管理にあたっては、どのように機器を分類すればわかりやすいか、何の情報を管理すればよいのか、分析に必要な事項は何かなど検討するべき事が多数あります。しかし、実際の管理イメージのプロトタイプがなければ、なかなか具体的に進みません。

そこで、プロトタイプを作り一部セクションで試験運用することになりました。

ただ普通の情報システムを導入しようとすると、それなりの費用がかかってしまいます。

それほどの費用をかけることができないため、検討の結果、「設備管理の匠」なら、導入負担も比較的少なく、さらに本運用にもつなげられる、ということでご導入いただくことになりました。

試験運用後、担当者が、アクセス形式のファイルの特徴を活かし、複数のデータプロトタイプも作成しました。その上で、問題点・必要事項などを洗い出し、必要なカスタマイズを加えてステップアップさせています。

引用元:https://www.econity.co.jp/setsubi/jirei.html

KANNA:案件の一括管理で事務作業が約9割削減

導入されて、効果は感じられましたか?

中でも効果を感じたのは、KANNAによって案件の一括管理ができるようになった点です。現場の方にとっては、どこに行ってもスマホで最新情報を確認することができるようになったというメリットがあった一方、私をはじめとするバックオフィスでの効果が顕著でした。例えば、KANNAには案件情報を入れ込むインポート機能と、入力された情報の出力をする機能がついているため、日々たまっていく新規案件の登録にかかる時間が、大幅に短縮されたことです。 メールなどで新規の発注依頼が届き、それをエクセルに書き写し管理しながら、これまではそこからさらにスケジュールアプリに数百件を1つ1つ入力し直していました。入力の2度手間が発生していたわけです。今は、届いた発注案件をエクセルにまとめたら、それをそのままKANNAにインポートすれば転記完了。1日3~4時間かかっていた作業時間が、KANNA導入後20分ほどに短縮、約9割も作業時間が削減されました。その分、他の業務に時間を当てることができますし、管理側として最も効果を感じました。

あとは、現場作業とのタイムラグを最小限にして、早めに事務手続きに着手できるようになったことも助かってます。KANNAは、進捗状況が一目でわかる機能がついています。それも自社に合わせてカスタマイズができる。弊社の場合、7つほどのステータスに分けており、「作業前」~「作業開始」~「報告書作成済」~「報告書提出済」~「請求書発行済」といった感じで、起票からクローズの進捗を可視化しています。この進捗は、パソコンだけでなくスマホからも編集できるため、現場担当は作業に入った時点でスマホから「作業開始」とステータスに変える、すると、バックオフィスも現場の状況をリアルタイムに把握することができます。

 写真台帳(報告書)の作成状況も、バックオフィスが都度格納するボックスにアクセスし、格納されてなければ「報告書はどうなっているのか」と、現場担当や営業担当に何度も確認をするコミュニケーションが発生していました。作成してもボックスに格納し忘れることが多々あったため、バックオフィス側が「格納してください」と催促する必要がありました。

引用元:https://lp.kanna4u.com/

【タブレット対応】設備点検アプリおすすめ3選

タブレットにも対応している設備点検アプリを3つ紹介します。

設備点検アプリを初めて導入する企業にもおすすめ出来るアプリの為、気になった企業は資料請求などもしてみてください。

ビルカン:ビルや建物の管理をDX化したい企業向け

ビルカン:ビルや建物の管理をDX化したい企業向け
引用元:ビルカン公式サイト

ビルカンのおすすめポイント

  • 図面管理システムで特許取得
  • 全ての機能を1ヶ月間無料で利用可能
  • 報告書作成からデータ分析まで一元管理
主な機能図面管理
設備管理
報告書作成
ファイルの一元管理
データ分析(β版)など
初期費用要問い合わせ
月額費用要問い合わせ
無料トライアル◯1ヶ月間
対応端末PC、スマホ・タブレット

総評コメント

ビルカンは、株式会社FLINTZが運営する、ビル管理業務を効率化するクラウドサービスです。

報告書の作成、ファイル・設備・図面管理を得意としており、更新や記録などの一元管理ができます。

保存された記録を用いたデータ分析もでき、中長期的な修繕計画にも対応可能です。

図面管理システムでは特許を取得しており、複雑な図面も簡単に管理できます。

ビルカンは、1ヶ月間の無料トライアルが利用可能。

まずは資料請求をして、ビルカンの使いやすさと機能を体感してみることをおすすめします。

KANNA:多機能な施工管理アプリとして導入したい企業向け

KANNAのおすすめポイント

  • 初期費用0円で利用可能
  • オプション機能追加によりカスタマイズ設定が可能
  • 他社アカウント数無制限
主な機能複数の現場を一元管理
写真機能・台帳
図面・資料管理
現場管理
工事報告書を簡単作成 など
初期費用0円
月額費用プランによって変動
無料トライアル
対応端末PC、スマホ・タブレット

総評コメント

株式会社アルダグラムが提供するKANNAは、建設業や不動産業など、多くの現場で利用されている施工管理アプリです。

現場情報や状況の共有、報告書の作成まで、施工管理業務に関するあらゆるタスクをこのアプリ一つで完結できます。

さらに、高いカスタム性により、オリジナルの施工管理アプリへと進化させることも可能。

40,000社以上の企業が導入しているKANNAは、シンプルな操作性やサポート体制の充実により、導入した企業から高い評価を得ています。

初期費用0円・無料トライアルで始められるため、機能面や操作性などを確認してみることをおすすめします。

点検エース for excel:従来のExcel資料を活用したい企業向け

点検エース for excel:従来のExcel資料を活用したい企業向け
引用元:点検エース for excel公式

点検エース for excelのおすすめポイント

  • エクセルファイル上での簡単設定
  • オフライン環境でも入力から印刷までできる
  • タッチパネルによる簡単操作
主な機能バーコード入力
帳票の設計・印刷
報告書作成
手書き入力機能
写真の自動リサイズ貼り付け など
初期費用0円
月額費用1ライセンス当たり2,500円~
無料トライアル
対応端末PC、スマホ・タブレット

総評コメント

点検エース for Excelは、株式会社ビジー・ビーが提供する設備点検システムです。

従来のExcelによる点検報告書をそのままタブレットで作成・共有できるため、システム導入による業務フローの変更も必要ありません。

点検箇所の写真撮影やコメント入力も可能で、詳細な点検記録を作成できます。

写真とコメントはExcelシートに自動的に紐づけられるため、報告書作成もスムーズに行えます。

オフライン環境でも利用できるため、インターネット環境がない場所で利用することが多い企業にもおすすめです。

タブレットで設備点検の効率化を図ろう

タブレットで設備点検の効率化を図ろう

従来の紙ベースの点検作業から、タブレットを活用した作業への移行が進んでいます。

従来の紙とペンを用いた方法に比べて、タブレットによる点検は作業時間を短縮するなど、多くのメリットをもたらします。

また、操作性の向上も見逃せません。タブレットは直感的な操作が可能で、現場作業員にとっても使いやすいのが特徴です。

本記事では、タブレット活用による設備点検の事例や、タブレット対応の設備管理アプリ3選を紹介しました。

設備点検の効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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