足場の安全点検は毎日必須|法改正の観点から足場点検のポイントを解説

足場の安全点検は毎日必須|法改正の観点から足場点検のポイントを解説

建設現場での安全性向上は、労働者にとって最優先事項です。

特に足場の安全点検は、墜落・転落事故を防ぐための重要な手段として注目されています。

この記事では、足場の安全点検に関する法改正の内容から足場点検のポイントについて詳しく解説しています。

ぜひ最後までご覧ください。

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目次

【法改正】足場の安全点検は義務

【法改正】足場の安全点検は義務

建設業界における労働災害の発生状況は、年々減少傾向にあるものの墜落災害をはじめとする建設工事の災害により、年間約700名もの方が命を落としています。

労働災害の発生を減少させるため、足場に関する労働安全衛生規則が2023年10月1日から改正され、墜落防止装置が強化されました。

足場点検時における法改正が起きたのは次の理由が起因しています。

これまでにも様々な取り組みが行われてきましたが、墜落・転落事故は依然として建設業における最も多い死亡災害の原因となった

これらの背景を踏まえ、建設現場での安全性を高め、墜落・転落事故を減少させるために、足場の点検に関する法改正が行われました。

改正の主なポイントには、点検者の事前指名の義務化や点検記録の保存義務などが含まれています。

この法改正により、足場の安全性向上と労働者の生命と健康の保護が期待されています。

墜落・転落による死亡被害が多発

建設業界における労働災害の発生状況は、年々減少傾向にあるものの墜落災害をはじめとする建設工事の災害により、年間約700名もの方が死亡、約130,000人が死傷しています。

さらに発生した労働災害のデータを見ると、墜落・転落が原因であるのは死亡者数が約30%、死傷者数が約15%を占めています。

(参考:令和4年労働災害発生状況「厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課」

足場点検のポイント

足場点検のポイント

2023年10月1日に施行された労働安全衛生規則の改正により、足場からの墜落防止措置が強化されたことを説明してきました。

これから足場点検をする際のポイントについて紹介していきます。

  • 点検者の指名義務化
  • 点検記録の義務化
  • 一側足場の使用範囲の明確化

点検者の指名義務化

事業者または注文者は、足場の点検を行う際にあらかじめ点検者を指名することが必要となりました。

主な点検者の指名方法としては、次の方法で進めていきます。

  • 書面で伝達
  • 朝礼などで口頭で伝達
  • メールや電話などで伝達
  • 点検者の指名順序を決めておく

指名する理由としては、点検する人の自覚を持たせることと、責任感を持たせることの2点です。

また、点検者には十分な知識と経験が求められ、次のような人が適切です。

  • 足場の組立て等作業主任者で能力向上教育受講者
  • 労働安全コンサルタント(土木または建築)
  • 仮設安全監理者資格取得講習の受講者
  • 施工管理者等のための足場点検実務研修の受講者

(参考:足場からの墜落防止措置「厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督書」

点検記録の義務化

事業者または注文者が行う足場の組立て、一部解体、変更等の後の点検後に、点検者の指名を記録し保存することが義務付けられました。

従来との違いは、「点検者氏名の有無」です。

点検者の責任感や足場の点検が確実に行われるようにするための施策となります。

一側足場の使用範囲の明確化

一側足場の使用範囲が明確化されました。

主な内容は次の通りです。

幅が1メートル以上ある箇所に足場を設置する場合、原則として本足場を設置することが必須

ここでいう幅1メートル以上とは、足場を設置する対象の建築物等の外面から直交方向の水平距離が1メートル以上あることを指します。

また、改正規則では、「障害物の存在その他の足場を使用する場所の状況により本足場を使用することが困難なときは、この限りでない」という条文が追加されました。

これにより、以下次のような状況では例外的に一側足場の使用が認められます。

  • 撤去が困難な障害物がある場合
  • 建築物等の外面の形状が複雑で、1メートル未満ごとに隅角部を設ける必要がある場合
  • 屋根等に足場を設ける際、床面に著しい傾斜や凹凸がある場合
  • 本足場を使用することで建築物等と足場の作業床との間隔が広くなり、墜落・転落災害のリスクが高まる場合

従来、一側足場の使用には明確な制限がなく、コスト削減や作業効率を優先した結果、安全性が軽視されるケースが多く見られました。

法改正は、十分な敷地の余裕があるにもかかわらず、コストや手間の削減目的で簡易な一側足場が使用され、安全設備が不十分な状態で作業が行われることを防ぐためのものです。

足場の安全点検は毎日必須

足場の安全点検は毎日必須

建設業界の労働災害のなかで墜落・転落事故による死亡事故や死傷事故は、全体の3割を占めています。

墜落・転落事故を軽減するために、足場の安全点検に関する法改正が実施されました。

法改正により、変更されたポイントは次の通りです。

  • 点検者の指名義務化
  • 点検記録の義務化
  • 一側足場の使用範囲の明確化

とくに一側足場は、コスト削減や作業効率を優先していた結果、不十分な設備で業務を遂行していました。

しかし、使用範囲が明確化されたことにより、安全性の強化が進められています。

設営された足場であっても、墜落・転落事故を防止するために毎日の安全点検は必須です。

労働災害を起こさない環境を作るためにも、この記事を参考にしてみてくださいね。

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