【建設業向け】バーチャート工程表とは?ガントチャートとの違いから書き方・作成ツールまでを解説

建設現場で最も一般的に活用されている工程表はバーチャート工程表です。

ここでは、バーチャート工程表の特長やガントチャートとの違い、作り方など詳しく解説します。

更に作成ツールを具体的に紹介して作成のコツもアドバイスしています。

本内容を通して現場でのバーチャート導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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目次

バーチャートとは、建設現場でよく使われる工程表

日数11/111/211/311/411/511/611/7
土工       
均しコンクリート打設       
鉄筋      
型枠      
躯体構築       

バーチャートとは、建設現場や製造業などで一般的に用いられている工程表ツールです。

具体的には、縦軸に作業項目(現場では、工種や種別)を、横軸に日付を記入して、予定工数を横棒状で記載して示します。

ガントチャートでは、各工種や種別の進捗を確認できる一方で、バーチャートでは、自分が担当する作業のスケジュールを一目で確認できることが大きな特徴になります。

ガントチャートよりも構成が単純なため、手軽に作成が可能な一方で、進捗を追えないため進捗管理に活用することが難しいデメリットがあります。

また、ガントチャート同様に工種や種別ごとの関係性を把握しづらいため、中規模以上の現場には不適切であるケースもあります。

バーチャート工程表とガントチャート工程表の違い

改めてここでは、バーチャート工程表とガントチャート工程表の違いについて解説します。

工事現場で活用するバーチャート工程表では、縦軸に作業項目として工種や種別を記載します。

横軸に時間を記載して、各作業の開始時期から終了時期を一目で分かるように表したものがバーチャートです。

ガントチャートは、縦軸に作業項目として工種や種別を記載します。

横軸に進捗率を記載して、各作業の進捗率のみを一目で分かるように表したものがガントチャートです。

上述の内容を以下のように要点を絞って違いを対比しました。

バーチャートガントチャート
特徴作業にかかる期間を把握できる
自分が担当する作業のスケジュールと工数を一目で把握できる
進捗率を把握できる
自分が担当する作業の進捗率を一目で把握できる
使い分け方スケジュールを管理したいとき作業進捗を管理したいとき

バーチャート工程表のメリット

バーチャート工程表のメリット

次に、バーチャート工程表のメリットを解説します。

メリットは以下の3点が考えられます。

  1. 工事全体の工種や種別などのスケジュールを可視化できる
  2. 工事全体の中で担当以外の工種・種別についてもスケジュールを共有できる
  3. シンプルな構造のため、作成が簡単で見るだけで読み取れる

それぞれについて詳しく解説します。

工事全体の工種や種別などのスケジュールを可視化できる

工事を進めていくとき、どの工種がどのくらい時間がかかるかを理解していることが重要です。

資機材の材料調達の日程や遅滞なく次の工種にステップを進めるとき、何の作業が前と後ろに合って、その時々でどのようなアクションが必要か抑えておくことが重要です。

そのためにも、バーチャートがあると、全体の作業工程感、タイミングが分かるようになります。

工事全体の中で担当以外の工種・種別についてもスケジュールを共有できる

大きい現場では、複数工種が並行して動いています。

自分の担当工種以外にも作業調整をする必要があるため他工種の作業がどのようなスケジュール感で現場作業をするのかを知るためにもバーチャートが非常に重要になります。

シンプルな構造のため、作成が簡単で見るだけで読み取れる

上述のメリットにもつながることですが、シンプルな構造であることが大きな特徴です。

この表で示すことができる重要な情報は、スケジュール感を示すことなので、その情報を明示することに特化しています。

大きな現場でもどの工種がどのようなスケジュール感で動いているのかを一目見るだけで把握できることが非常に重要です。

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バーチャート工程表のデメリット

バーチャート工程表のデメリット

一方で、バーチャートにもいくつかのデメリットが存在します。

デメリットは以下の3点が考えられます。

  • 工事全体の工種や種別などの関連性が把握できない
  • 工事全体の中で優先順位を把握できない
  • 工事におけるクリティカルパスを把握できない

それぞれについて詳しく解説します。

工事全体の工種や種別などの関連性が把握できない

大きな工事現場では、各工種それぞれのスケジュールを把握できても全体的な関連性や流れを把握することが求められます。

そのため、全体工程と照らし合わせて進捗を把握したい場合などではバーチャートでは網羅できません。

あくまでも担当工種のスケジュールを把握することでのみ活用ができるのです。

具体的に例えば、A作業を先に終わらせないとB作業に移ることができないといったケースでは、作業同士の関連性を目視で把握することが困難であり、作業進捗に悪影響を及ぼすリスクがあります。

工事全体の中で優先順位を把握できない

現場工事では特定の作業の優先順位が重要になります。

それぞれの作業間の関係性を把握できていない時に全体スケジュールの遅延を招くリスクがあります。

具体的には、C作業を進めるには先にA作業を終わらせなければいけないのに、優先順位を見誤ってB作業を優先してしまった。

といった事態が起こる可能性があります。

それは結果的に、工事完了が大幅に遅れてしまう恐れにもつながるのです。

工事におけるクリティカルパスを把握できない

クリティカルパスとは、現場工事において全ての工程を最短で完了するために必要となる作業経路のことを指し、工程表を作成するときに抑えておくべきポイントになります。

バーチャート工程表では、単純にどの作業がどのくらいの日数を必要とするかしか示されていないため、クリティカルパスの把握には不適切です。

クリティカルパスを把握しないまま工事を進めることで優先順位の低い作業を先に着手してしまい、全体工程の遅延を招く結果につながるリスクがあります。

このような理由から、複数の作業が複雑に入り交ざる大型工事ではあまり用いられていないことが現状です。

バーチャート工程表の書き方

バーチャート工程表の書き方

次に、バーチャート工程表の作り方を、フロー図を用いて解説します。

  1. 業務内容、工種・種別の洗い出し
  2. 担当者の決定
  3. 各工種・種別に必要な期間の設定
  4. 表の作成

それぞれについて説明します。

①業務内容、工種・種別の洗い出し

まずは表に入れるべき工種や種別を洗い出します。

ここでは大枠を抑えられるように抽出しましょう。

細分化しすぎるとシンプル性のメリットをつぶしてしまいます。

また、関係者全員が見て状況を一目で把握できることが重要になるので、視認性に優れた見やすい工程表にすることはもちろん、専門用語も共通の言葉で作るようにしましょう。

②担当者の決定

各工種を色分けなどして担当者を明記することが可能です。

③各工種・種別に必要な期間の設定

各工種に必要な期間は余裕をもって設定します。

基本的には納期となるポイントとなるコンクリートの打設日などから逆算して期日を設けていきます。

現場は屋外作業のため天候の影響を受けやすいので余裕のない工程では全て後工程に変更が波及するリスクがあります。

④表の作成

上記を踏まえて表を作成します。

バーチャート工程表の作成ツール

バーチャート工程表の作成ツール

最後に、バーチャート工程表の作成ツールを紹介します。

  • Excel(エクセル)
  • Googleスプレッドシート
  • AnyONE(エニワン)

Excel(エクセル)

Excel(エクセル)は、Microsoft Officeの一つでほとんどの企業で導入されているツールです。

広く普及していることから、どの現場でも適用が可能であり、小さな現場であれば工種も少なく、Excel(エクセル)で簡単に時間を掛けずに作成することが可能になります。

修正も容易なため初めての導入にも適しています。

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Googleスプレッドシート

Googleスプレッドシートの特徴は、アカウントを登録するだけで、オンライン上で作成や保存ができることです。

複数人がオンライン上で並行して作業することも可能なため汎用性に優れています。

Googleスプレッドシートには、バーチャートのテンプレートも備わっているため、そのまま使うことも可能です。

AnyONE(エニワン)

最後に照会するのが工事管理アプリの一つでもあるAnyONE(エニワン)です。

上記①②の無料で活用可能なものの他にも有料版のアプリも複数あります。

本アプリでは、機能や人数制限が無く、複数人がクラウド上で同時作業可能です。

対応OSも複数あり、手持ちのスマートフォンでも確認できるため現場以外からでも確認や編集ができるメリットが特徴です。

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まとめ

まとめ

建設現場で最も一般的に活用されているバーチャートは理解できたでしょうか。

簡単でシンプルな構造が特徴のため複雑に情報を盛り込み過ぎずに活用することを心がけましょう。

また、ここで紹介したアプリの他にも様々なソフト・アプリがあるため導入を検討する企業では長期的に使い続けたいものを選ぶようにしましょう。

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